idea factory from newspaper 2003 6 20

 政治家の資質(statesmanship)
政治家にとっては、つらい時代となりましたね。
今までならば、年功序列により、
がんばっていれば、大臣になれたでしょう。
それは、名誉職のようなものだったのですが、
政治家の成功を意味するものでした。
 しかし、これからの時代は、急速に進む科学技術と、
複雑で高度な経済システムの発達により、
大臣という職業が、正真正銘の名誉職、象徴職となる可能性があります。
時代が進めば、
国民は、科学技術のわからない政治家は、不要と言い出すかもしれない。
あるいは、国民は、経済のわからない政治家は、不要と言い出すかもしれない。
生き残る道は、外交しかなくなるかもしれない。
 しかし、いつの時代も、国民の精神的な支柱となる政治家は、必要です。
そのためにも、高度な精神性を持った政治家が必要なのです。
高度な精神性を持った政治家とは、徳の高い政治家でしょう。
あるいは、宗教的な指導もできる政治家でしょう。
本来、宗教とは、人生の悩みを解決する人生哲学であったはずです。

 長期金利の急上昇(long-term money rate and insurance)
資本主義の特徴は、計画経済と違い、
何が起るか、わからないという不確実性があります。
そのために、保険というものがあるのです。
資本主義発展の基礎は、保険にあると言ってもよいでしょう。
 株式市場において、保険とは、
「信用売り」や「プット」に当たるでしょうね。
もちろん、これらを上手に使わないと、かえってリスクになります。
しかし、信用売りやプットは、一種の保険の役割を果たしています。
だから、信用売りやプットを過度に規制してしまうと、
市場のシステムが崩壊してしまうのです。
適度な規制は、いいとしても、過度の規制は毒薬になります。

 劇薬(active drug)
デフレに対する劇薬とも言える経済政策の議論があります。
デフレに対する嫌悪感が強いですね。
 しかし、デフレ好況と言う考え方もあります。
たとえば、業績が安定している企業に勤めるサラリーマンがいるとします。
そして、給料はベースアップによって、ゆっくりですが、上昇していくでしょう。
そして、借金もないとします。
こういう条件で、デフレが、毎年、2%程度進行していったら、どうなるか。
これは、裕福になるのです。
たとえ、給料が上がらず、一定のままでも、
物価はデフレの進行により、下がりますので、
物が安く買えることになり、結果的に裕福になるのです。
逆に住宅ローンなどの借金がある人は、苦境になるのです。
これは、企業にも言えます。
借金がなくて、現金が豊富な企業は、裕福になるのです。
逆に、借金があって、現金がない企業は、苦境になるのです。
 このようにデフレにおいては、現金がある者は、恩恵を受けるのです。
しかし、お金が現金のまま、いつまでも、
個人の手許に滞留してしまう可能性があります。
 そこで、こんな劇薬があります。
現在、貯金の利率は、0.02%ぐらいだったでしょうか。
正確な利率を忘れました。
しかし、限りなくゼロに近い金利だったと思います。
この金利を低くするのです。
0.02% → 0.01% → 0.00% → -0.01% → -0.02% → -0.03%
劇薬でしょうね。
預金者にとっては、とんでもない話です。
住宅ローンを抱えている、借金がある人は、どうなるのでしょう。
債券市場は、どうなるのでしょうか。
株式市場は、どうなるのでしょうか。
設備投資は、どうなるのでしょうか。

 燃料電池(fuel cell, FC)
燃料電池自動車の開発競争が激しいですが、
家庭用燃料電池の方が、普及が早いかもしれない。
燃料電池自動車の場合、エネルギーをすべて、燃料電池に頼るため、
高出力の燃料電池システムが必要となります。
しかし、家庭用燃料電池の場合、
エネルギーを、燃料電池とガスの二本立てにするか、
燃料電池と通常電力の二本立てにすれば、いいのですから、
そんなに高出力の燃料電池システムは必要ないでしょう。
そうすると、家庭用燃料電池の方が、生産コストが安く、
販売価格が安く、普及が早いかもしれない。
あるいは長期間使うので、
燃料電池システムをリースにしてもよいでしょう。
燃料電池自動車は、がんばらないと、
家庭用燃料電池に負けてしまいます。

 無機EL( EL display )
大型の薄型テレビを作るのに、
有機ELより、無機ELを使った方が、
安くて、大量生産に向いているかもしれない。
有機ELと無機ELについては、少し前に、
このサイトで書きましたね。
EL war でしょうか。
EL angel でしょうか。

 紫外線LED(ultraviolet light LED, UV LED)
日本のあるメーカーが、ついに、
紫外線LEDの高出力タイプの開発に成功したとのことです。
よく憶えていませんが、
青色LEDは、20世紀中は不可能と言われていたのに、
20世紀中に製品化されました。
同じく、紫外線LEDの高出力化も、不可能な技術と言われたこともありました。
 紫外線LEDについては、何ヶ月か前に、
このサイトで書きましたね。
昔のことなので、なんて書いたか忘れました。

 ホタルの光(gleam of fireflies)
夏の日本の風物詩は、ホタルの光でしょうね。
熱い昼間が終わり、少し涼しい夜に、幻想的なホタルの光は美しい。
ホタルは、おしりの部分が光りますが、
おしりの部分にLEDがついているのでしょうか。
捕まえて、その部分を観察しようと思いましたが、
風流でなくなるし、ホタルがかわいそうですので、やめました。
ホタルの光(gleam of fireflies)を見つけると、delighted(happy)。
しかし、ホタルの光(gleam of fireflies)は、instantly delighted(light and no light)。